2018年3月27日火曜日

【番外編】母は同じ話を何度でもする


じいさんの介護からもう40年以上たった。どうも数年前から母の様子がおかしい。同じ話を何度でもする。よく聞いてみると、
「私は死んだおばあさんにこんなにいじめられた」
という話であったり、
「あの人はこんなこともできない。私はできるから、私の方が偉い」
という話であったり、
「ディケアに行っても、私を優遇してくれない」
などという。私たちが、
「そんなこと、ありませんよ」
と言っても耳が遠いので、聞こえないふりをして、また同じ話を延々と繰り返す。私たちの話が途切れてから話し始めるところなんか、聞こえてないわけがないのだが、聞こえてないと言い張る。なのに、小声で話をしているのを応答するのだから始末が悪い。

じいさんとはかなり症状が違うが、思えば、この頃が認知症の始まりだったのだろう。




現在は認知症の進行を遅らせる薬がある。以前にも書いたが再掲しておく。日本では全て処方薬で医者の処方箋がないと購入できない。副作用とか服用法とか他の薬との相性とかが問題となるわけである。飲む前に医者に訊いておこう。
日本では「アリセプト」を処方するのが多く、怒りっぽくなる副作用を病気のせいにして向精神薬などを追加する医者もいるらしい。
ここに紹介するのは特徴のある薬で、 認知症の治療薬(輸入薬。詳細はリンク先。必ずリンク先を確認して下さい。)
効果は患者により変わります。

アリセプト:アルツハイマー型認知症薬。レビー小体型認知症薬としても承認を受けた。認知機能の低下を遅らせる薬で、古くから用いられている。アルツハイマーでは唯一全てのステージと予備軍に効果があると言われている。効果が現れるのに最低3か月かかるのと、副作用で怒りっぽくなるのが欠点。
アリセプト(Aricept)10mg

レミニール:アルツハイマー型認知症薬。日本では新薬扱いだが、世界では80か国以上が使っている。
レミニール(Reminyl)8mg

イクセロンパッチ:日本で用いられているアルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する薬の内、唯一の貼り薬である。
イクセロンパッチ18mg30枚

メマリー(エビクサ):中程度以上の症状で、唯一アリセプトなどと併用できる。
エビクサ(Ebixa)10mg 50錠

イデベノン:アルツハイマー型認知症、認識障害等の治療、脳機能サポート、エイジングケア。脳機能能力や認知力・記憶力を高める薬としても使用されている。非認可薬。
イデベノン45mg(Norwayz)

アルツハイマー型認知症ではかなりの種類の薬があるが、レビー小体型認知症ではアリセプトが承認されているだけである。足の筋肉がこわばって歩きづらいようなパーキンソン病に似た症状が出た場合は、パーキンソン病の薬を投与する。

脳血管性認知症では、原因となる脳血管障害の治療が優先される。


2018年3月26日月曜日

じいさんの介護のまとめ


じいさんの認知症はかなりひどかったと思うが、生来じいさんは人がよかった。現在では当たり前のように言われている、大声を出すとか、悪口をまき散らすとか、何かにつけて怒りまくるとかの症状が出なかった。そのような症状が出たなら、介護はもっと大変であったと思うし、恐らく私の手には負えなかったであろう。

介護を家庭で行うというのは、大変である。現在は介護用品がたくさん出て便利になっていると言っても、夫婦共に働いている家庭も増えているので、当時よりも難しいかも知れない。

さて、これでじいさんの介護は終わるわけだが、最近どうも母が認知症っぽい。心配であるが、今は当時と違い対応策も多いので、何とかできそうではある。


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2018年3月25日日曜日

じいさんの他界と私の受験


2月の中旬のことである。じいさんが寝込んで起きられなくなった。意識はあるのだが喋れないので何も分からない。食事はおかゆなどを作ってみたが、あまり食べない。 「俺の作ったものが食べられんというのか!」 とかなんとか言っている間に、2月18日に他界した。 私の受験が2月28日しかも一番難しい大学だったので、これはマズいことになったとおもったら、案の定ばあさんが、
葬式は家でやる」
と言い出した。私はさすがに勉強していたかったが、やはり、かり出されて、いとこのお姉さんたちと一緒に料理を作ることとなった。
お通夜や葬式は出ずに勉強してたらいいよ」
とのことだったが、子供連れのお母さんが私の部屋に子供を置いて行くので、結局、託児所になってしまった。後になって、
「何で勉強せんかったん?」
と言われたが、それは私のせいですか?

それでも運よく大学に合格したが、
「おじいさんのおかげで大学に通ることができた」
と、ばあさんは言っていた。それは絶対に間違いだと言いたかったが、黙っていた。

そして私は家を離れて東京で一人暮らしを始めることとなる。

もし、じいさんが生きていたら、誰が介護をするのだろう?

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2018年3月24日土曜日

じいさん排便をする(食事前には読まないこと)


じいさんは喋れなくなって、欲求のおもむくままに生活するようになると、私が家にいる間はとんでもない目にあう。

私が一番嫌だったのが排便の世話である。トイレでさせて拭いてあげるぐらいなら、まだましである。もちろんおしめはしていたが、じいさんは気持ちが悪いとおしめを自分で脱いでしまう。黙って脱ぐものだから誰も気が付かない。私にしてみれば、ばあさんが暇なのだから、見張ってて欲しいのだが、そこはもちろんばあさんである。ばあさんは武家の出なので気位が高く、人の排便の世話などしないのだ。昭和50年になって武家の出というのは時代錯誤と思ってはいけない。ばあさんのそのまたばあさん(私にすれば祖々々母である)は、大名行列を見たことがあるらしい。ばあさんはそう言っていたが、江戸時代はそんなに遠い昔のことではないのである。

まあ、ばあさんはそんな人だったから、じいさんが排便して畳や柱にこすりつけると、大声で私を呼ぶのである。私は大抵2階の自分の部屋で、受験勉強していたから、迷惑この上ないのだが、
「早う来て、臭くてたまらん」
と言うのであった。自分でなければ受験生でもなんでもいいらしい。

仕方がないので、私は受験勉強を中断して、じいさんのウンコの処理をするのだが、これが目に染みるほど臭い。柱や板の間はすぐに拭けるのだが、畳は隙間にウンコが入り込んでこすってもなかなか落ちない。何回こすっても、雑巾に黄土色の隠れウンコがつき、いつまでも臭い。拭き洩らすと自分が臭くなるので大変である。かれこれ1時間以上はかかってようやく拭きあがるのだが、しばらくは、じいさんがこすりつけたあたりは通りたくはないのである。

そして、じいさんが亡くなる数日前までこんなことがつづくのであった。
読まなかった方が良かったと思う人は、下から介護施設を捜して下さい。


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私のような無理はしないようにしましょう。

2018年3月22日木曜日

じいさんしゃべれなくなる

訳のわからないことを言っていたじいさんは、やがて
「あ~う~」
となり、亡くなる1年ぐらい前には、とうとう「・・・・・・」
と、喋れなくなってしまった。

しかし、それでもゆっくりながら歩けるし、食欲はあるようで、やりたい放題になった。四六時中、誰かが見張らなければならない。動きが遅くなったので、外に出ようとして玄関で倒れていたり、すぐ近くの溝に落ちたりして、警察の厄介になる前に発見できるようにはなった。私は時々ご飯を食べられた。母がいるときは母が、いないときは私が見ていたが、私が練習に行っている時は誰も見ていなかった。ばあさんはそこにいるだけで何もしなかった。大仏さんより役に立たない。奈良の大仏さんは見物客を集めることができる。

部活を引退するとばあさんは私にじいさんを見るように言い出した。私は受験生である。ばあさんは私が勉強しなくても、どこかの大学に推薦入学できると思っていたらしい。私は勉強して大学に入るつもりだった(その辺の国立大学は通るぐらいの成績だった)ので、夏休みからだと受験戦争に出遅れていることになる(当時は一発試験で合否が決まった)。そういうわけで、じいさんの見張りをするわけにもいかなかった。

今では、介護は介護施設まかせにする人が多く、死ぬ前には体が動かなくなると思っている人も多い。私の経験から、適切な介護をすれば死ぬ数日前まで歩けると思っている。


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2018年3月17日土曜日

じいさんお茶を飲む

私が家にいるときは、食事は一家全員で食べていた。当たり前と言えば当たり前かも知れないが、最近ではそうでない家も増えているようである。その日、ちょっと食事には早かったので私は椅子に座ってお茶を飲んでいた。そしていつものように、じいさんがやってきた。

私は横を向いてばあさんと話をしていたが、ふと見るとじいさんが向こうの椅子に座って、嘔吐していた。ふと見ると右手に「味の素」を入れた壺にお茶が入っていた。どうも飲んだらしい。ばあさんはいつものように怒り、私はいつものように掃除となった。この場合掃除とは主に嘔吐物の清掃である。じいさんは少し落ち着くと隣の部屋に寝かされて医者を呼ばれることとなった。当時のかかりつけの医者は、割と気前よく往診してくれた。もっとも往診料はかなり高かった。じいさんは医者が来てもご飯を食べたがっていた。

「味の素」はグルタミン酸ナトリウム(グルタミン酸ソーダ:MSG)ともいう。今でいう「うまみ成分」で、成分表示に「調味料(アミノ酸等)」と書かれているのがそうであるが、数々の危険性があると言われている。まあ、そんなものをがぶがぶ飲めば、嘔吐することもあるだろう。特に妊婦さんは危ないらしいので皆さんも気を付けましょう。



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2018年3月16日金曜日

警察から学校へ電話がくる

私は運よくこの地方では名門と言われていた高校に入学した。勉強して、クラブしての普通の高校生活が始まった。


しかし、ある日、ばあさんから高校に電話がかかってきた。私は職員室まで行って電話に出なければならなかった。ここで少し説明すれば、当時は携帯電話などこの世に存在していなかった。携帯電話が世に出たのは私が就職してからである。ポケベル自動車電話もなかった。従って個人に電話をかけることはできない。
ばあさんが私に連絡したければ、学校に電話して呼び出すより他に手立てがないのである。そして、校内放送がかかる。
友人が、
「お前、職員室へ来いと放送されとるぞ」
と親切に教えてくれる。仕方なく職員室で電話に出ると、ばあさんから、
「じいさんが警察に保護されたと連絡があったから、学校の帰りに連れて帰ってこい」
とのこと。友人に急用ができたからクラブを休むとコーチに言うように頼んで、警察署に自転車で向かった。
警察で事情を話して、自転車を警察署の自転車置き場に止め、タクシーを呼んでもらい、じいさんを連れて帰った。家でタクシー料金をもらって払い、じいさんをばあさんに引き渡してから、歩いて自転車を取りに警察まで戻った。

こういうことが何回もあるのだ。2回目以降は住所と電話番号を服の内側に縫い付けたので、連絡先は当然自宅なのだが、何故か学校に電話をかけてきて、引き取って来いというのである。
そのうちにとうとう警官に顔を覚えられてしまった。

何も悪いことをしていないのだがストレスが大きい。
ストレスに効く薬やサプリメントは下の通り。

ハッピーキャンパー(Happy Camper)
牛黄清心丸
セントジョーンズワート450mg
5-HTP(5−ヒドロキシ・トリプトファン)50mg



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2018年3月14日水曜日

ばあさんはじいさんを病院に入れるのに大反対

ばあさんはじいさんを病院に入れるのに大反対だった。世間体が悪いというのがその理由である。父はマザコンでばあさんの言いなりであったから、ばあさんに従って、老人病院に入れることに反対である。

この二人が反対してしまうと老人病院に入れることはできない。介護保険のない時代だから、健康保険で入院することになるのだが、健康保険適用外のものが多く、結構お金が必要だったらしい。

かと言ってばあさんや父がじいさんの介護をするわけではない。母と私が介護するのである。母や私もじいさんを老人病院に入れるのはかわいそうだと思うが、私にしても大学受験もあるし、そうそう介護をするわけにもいかなくなるのだ。

不思議なことに、母は自分が不在の時に、私が介護をしているのを知ったのは、ごく最近である。パートをしていたのだから、自分のいない時間は誰か他の人がやっているとは思わなかったようだ。不思議である。私は不遇である。非協力的であると思われていたらしい。


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2018年3月13日火曜日

じいさんが電話に出る

じいさんの認知症もそれなり進んでくると、判断ができなくなり、言葉が喋れなくなってくる。
この頃の私の家には電話があった(今でもありますが)。当然のことと思ってはいけない。当時、電話はかなり普及していたが、電話のない家もある。電話のない家に連絡する時にはどうするか?もちろん電報である。さて、電話がかかると、当然誰かが電話に出るわけだが、残念なことに、じいさんが電話に出てしまうことがある。

じいさんが電話に出るとどうなるか?

「もしもし、○○さんのお宅ですか」
「あう。あう。」
「おとうさん、おられますか」
「あう。あう。」
じいさんは人柄がよいので、受話器を置いておとうさんのところへ行く。
「あう。あう。」
「はあ?おしっこ漏らしたんか?」
「あう。あう。」
「ちょっと確かめてくれ」
私がじいさんのおむつを確かめてみてもお漏らししていない。
「なんや。出てないやんか」
といってそのままズボンをはかせる。迷惑なのは電話の相手である。大抵は我慢できずに電話を切ってしまう。
後になって受話器が外れているのを見て、じいさんが外したと誰もが思うのである。


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2018年3月11日日曜日

じいさんお漏らしをする

前々から時々あったのだが、とうとうじいさんが失禁をするようになった。当時から紙おむつというか、紙パンツは出たばかりであったが値が高かった。またもや、ばあさんが、「そんな格好の悪いことができるか」と言って、布おむつとなった。私は布おむつのはかせ方を知らなかったので、教えてもらうことになった。布おむつを洗うのは、ばあさんの役目にしてしまった。紙おむつにしたら洗う手間が省けるので、当然ばあさんが洗うべきである。

紙パンツと違い布おむつは頻繁に換えなければならない。じいさんは失禁する時は、「あっあっ」と言うので、それを合図におむつを換える。あまり早くおむつを脱がすと、失禁中のことがあるので注意しなければならない。布おむつは再利用するため、洗剤の入った水につけておき、ある程度たまったら洗う。すると、物干し竿がおむつで一杯になる。どちらが格好悪いのか分からないのである。

今なら当然紙パンツである。布おむつは紙パンツに比べて吸水性が悪い。だからナニが横を向いていたりすると、ズボンや床を汚す。そうなったら、母がいないときは私が拭き掃除をすることになる。


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