2018年2月26日月曜日

当時の老人病棟の実態

当時、親戚のおばあさんが老人病院に入院したのでお見舞いに行ったことがある。親戚のおばあさんの息子が医者だったので、当時としてはそんなにひどいところに入っていないと思う。
老人病院/こんなところである
それでも、今の病院の4人部屋より少し大きい部屋に、8人ほどがぎっしり入っており、隣のベッドの間のカーテンもなく、各々が勝手に叫んでいるような状態。認知症の程度に関係なく押し込んでいるようなところであった。当時は認知症に対して研究も進んでおらず、病人に対して、人格さえ認めない人も多く、ましてやプライバシーなど保護されていない。
食事は流動食紙おむつ、男女混合であったように思う。隣との間にカーテンなどないから、紙おむつの交換は衆人環境(その意識があるかどうか知らないが)で行われていたのだろう。それが普通であった。

それでも入院希望者は順番待ちであったのだ。家で認知症の人を介護するのは非常に困難なのだ。
認知症の介護となると誰かが24時間見張らなければならない。家庭でそれを行うとなると共働きは無理で、大抵は収入の少ない妻が仕事を辞めて介護することになる。食事から汚物の世話までやり、患者によっては怒鳴ったり殴ったり、その上家事までこなさなければならない。言っちゃなんだが実の父母でもないのにそんなことをしなければならないのだ。夫の協力もないのなら、やってられない。介護離婚という言葉ができたのもこの頃である。

老人病院は一度入院したら死ぬまで出られないと言われていた。誰も自分の親をそんなところに入れたくないのだが、自宅で介護ができないなら他に方法がなかったのである。
介護保険ができて随分と介護環境は改善されたが、未だに似たような施設はあるらしい。



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